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アクティブラーニング(世界史) なぜイスラーム世界ではヨーロッパより早く学問が発展したのか?

2022年 06月09日
  • # 高等学校
  • # キャンパスライフ

2年生の世界史で、アクティブラーニングが実施されました。

今回は「なぜイスラーム世界ではヨーロッパより早く学問が発展したのか?」という問いに対してみんなで議論しました。

ここまでのイスラーム史の授業では、法学、哲学、医学、数学、化学、天文学など様々な分野でイスラーム世界における学問の発展について学んできました。これらは同時代のヨーロッパ世界より進んだものが多かったようです。その理由を考察するのが今回のテーマとなります。

教員講評

各班から出た意見をまとめると、①タラス河畔の戦いによる製紙法の西伝、②各地に学院(マドラサ)の建設、③ムハンマドが商人だったことから商業の活発化、④「海の道」を利用したムスリム商人の交易ネットワークによる文化交流、⑤他宗教に寛容な姿勢などでした。教科書的な内容はある程度推察できているように思います。

ただ「学院はどのように運営されたと思う?」という問いを投げかけると、「イスラーム王朝が作った…?」というくらいで、深い考察は出てきませんでした。またイスラーム世界が、オリエント、ギリシア、インドなど古代文明が誕生した地域に成立したことをあげた班がなかったのは残念でした。

アクティブラーニングの終了後は、イスラーム世界の寄進制度であるワクフの解説を加えて、イスラーム文明が各地の文明を土台に経済力で発展し、十字軍を通じてヨーロッパへ影響を与えたことを説明して授業を終了しました。