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高2世界史アクティブラーニング(奴隷貿易と産業革命)

2023年 02月13日
  • # 高等学校
  • # その他

2年生の世界史で、黒人奴隷貿易と産業革命についての授業が実施されました。

[奴隷貿易]

 担当教員は、17、18世紀のヨーロッパでお茶やコーヒーが普及し、砂糖の需要が高まったこと。そのプランテーション栽培の労働力として黒人奴隷が必要になったことを説明。

 生徒はサトウキビの本物に触れ、サトウキビ100%の黒糖をなめてその時代に思いを馳せました。 その後、悲惨な黒人奴隷貿易について詳細な説明があり、関連する映画を鑑賞しました。最後は「なぜ世界史を学ぶのか」という問いについて担当教員から話があり、授業を終えました。 授業動画が公開されていますので、ぜひご覧ください。

https://youtu.be/zrXsEQI1_xc

[産業革命]

 続く時間には、産業革命についてアクティブラーニング形式の授業が行われました。 今回は、「産業革命はなぜイギリスで起こったのか?」というテーマに従い、今まで習った内容や推測をふまえて議論しました。

<教員講評>

 資本については、奴隷貿易の利益をあげる生徒が多かったほか、東インド会社による貿易やイングランド銀行の設立をあげる班も多かったですね。フランスのナントの王令廃止からのユグノー流入に触れた班も意外に多かったです。

 労働力については、直前の授業内容からほとんどの班が黒人奴隷の使用をあげていましたが、実際は異なります。子どもや女性の活用をあげた班は、産業革命の展開を考えると興味深い推測です。外国人移民の受け入れや一部の班で貿易の発展による人口増加などは、教科書的な事実としては間違いですが歴史的な思考力としては素晴らしいです。1班だけ、気温の上昇の推測から農業生産力の向上と人口増加を予想し、労働力の確保と需要の創出につなげたのは素晴らしかったです。

 生産方法はテューダー朝期のマニュファクチュア(工場制手工業)をあげる班があり、伝統的な毛織物業との関連をあげる班もありました。鉄道による物資の輸送を産業革命の理由としてあげた班がありましたが、産業革命があったからこそ輸送する必要が高まり鉄道が発展したというのが正しい見解。

 市場については、イギリスが植民地戦争に勝利していたことを適切にあげる班が多く、労働力や資源の確保に結び付けて考える班もありました。また、地理的な視点からイギリスが海洋国家であったことを海外の市場獲得と関連づける班もありおもしろい視点だと思います。

資金力

黒人奴隷貿易で儲かった。リヴァプールなどの港でさかえていた。

植民地との貿易で儲かった。植民地から税金を取っていた。

イングランド銀行の設立で融資を受けていた。

すでに毛織物で稼いでいた。

アヘンを中国に売って銀を手にした。

フランスでナントの王令が廃止され、ユグノーの商工業者が入ってきた。

東インド会社による貿易。海賊による略奪。

生産力

マニュファクチュア(工場制手工業)があった。

他国より高い技術があった?

黒人奴隷やインド人を使用した。

アメリカが独立して奴隷を使えなくなったので機械を導入

外国人労働者の受け入れ。子どもや女性を働かせていた。

植民地の土地を利用した。プランテーションなど。アイルランドとスコットランドの併合

豊富な資源があった。もしくは植民地から原料を輸入した。

航海法によりイギリス中心の貿易。

気温が上昇して作物の生産量が増え人口が増えた→労働力の確保と需要の創出。

貿易によって港が栄えて人口増加。

販売力

フランスなどとの戦争に勝って植民地を持っているので売りつける(市場)。

直接貿易を自分たちでやることができる。

地理的に島国なので海外に出ていきやすい。

海に接していて港が多い。造船技術も発達。

鉄道による輸送。

ピューリタンなど宗教的に蓄財を肯定する宗派、カトリックが主流ではない。

倫理観が終わってた。イギリスのブランド力を高めた。

ホイッグ党が商工業を推進した。

2度の革命と絶対王政の終了? 重商主義から解放されて重農主義で自由に。

寒暖差がないなど気候が安定していた? 食料不足?

イギリスの土地が平たんだった。

オランダが衰退、フランスの財政難。