News

中学校入学式 式辞

2020年 04月08日
  • # 中学校
  • # お知らせ

入学式は、規模縮小・時間短縮・教室にて実施しました。

式辞

本日、ここに、第12回入学式を迎え、学校を代表して式辞を申し上げます。

東京農業大学第三高等学校附属中学校へのご入学、誠におめでとうございます。皆さんの入学をお祝いし、学校をあげて歓迎いたします。

新型コロナウイルス感染拡大防止のために規模を縮小した形での入学式となりましたことをお詫び申し上げます。

さて、本日入学を許可された63名の新入生の皆さん、皆さんはただ今から名実ともに東京農業大学第三高等学校附属中学校の生徒になり、皆さんは今日から中高一貫教育6年間の中での3年間の生活が始まります。皆さんの姿から新しい制服に身を包み、「頑張ろう」「勉強しよう」「友達作ろう」というとても前向きな思いが伝わってきます。今のその気持ちを大切にして、一日も早く、本校の校風や中学生活に慣れてほしいと思います。

本校は、本年で創立12年目を迎えます。この間、卒業生七百名を超え、そのほとんどが農大三高に進学しております。第1期生・第2期生は大学を卒業し、小学校・中学校等の教員、なでしこリーグのサッカー選手、大学院に進学して研究者としての道に歩み始めているものなど、それぞれの思いを込めて人生をスタートさせ、今後の活躍に期待が高まっております。運動部・文化部それぞれの分野で全国大会や関東大会へ出場して入賞を果たしている部活動があります、入学した皆さんも、本校の生徒として、立派に成長することを願っています。大切な中学校生活のスタートにあたり皆さんに2点お願いがあります。

第1に、本校は「実学で真の力を育てる」という教育の柱を掲げております。実学とは何か。物事に対して、疑問を持ち、その疑問を解決するために調べる、調べて結果を自らの知識や知恵として得る、得た知識や知恵を様々な場面で活用するということです。本校では、ダイズ栽培・稲作体験・水産体験・修学旅行等の体験型行事を通して実学教育を行っています。このねらいは自ら考えて行動するという農大三中の学びのスタイルを身に付けるためのものです。「不思議な現象に目を向け、原因を理解する」。これはノーベル賞を受賞した吉野彰先生も読んだ「ローソクの科学」の著者マイケル・ファラデーの学びに対する姿勢です。この姿勢に、中学校3年間で少しでも近づけるよう励んでください。

第2の柱として、「大胆なグローバル化」を掲げております。イングリッシュ・ワークショップ、グローバルイングリッシュキャンプ、オンライン英会話、クイーンズランド語学研修、フィリピンセブ島語学研修などの行事を通して、皆さんの先輩方は、聞き取れる・話せる英語力と、国際社会で通用する豊かな人間性の獲得を目指し、大きく成長しました。

皆さんが社会に出てその中枢で活躍するころは、現在の社会と大きく変貌しています。外国の方とのおつきあいも職場だけでなく日常生活のあらゆる場面で生じてきます。お互いを理解し合い、信頼を高めていくためにも国際的視野を持ったうえでの言葉や行動は不可欠な時代へと突入していきます。東京農業大学の生みの親である榎本武揚先生をご存じでしょうか。明治期にオランダに留学し、語学や国際法を学び、国際人としてのキャリアは、榎本武揚先生が活躍した今から約150年前の日本の社会では群を抜くものだと伝えられています。その榎本武揚先生は幼いころに測量家の父親の持つ地球儀を眺めて、グローバル的な視野を広げたとのエピソードもあります。榎本武揚先生の胸像が高校正門脇にありますので是非会いに行ってください。

農大三中での3年間は、実学教育、グローバル教育という今必要とされる最先端の学びを経験できます。これから30年後、新入生の皆さんが40歳くらいになったころ、それは21世紀という時代の半ばを超え、22世紀に向けての基盤づくりの時に入っております。そのようなときに、農大三中での学びで得た知識や経験・探究する心などをベースに、どのような人々と関わったとしても、しっかりと自分の生き方や考え方に自信と誇りをもって、相手の立場を慮りながら、強い姿勢で過ごしてほしいと思います。

終わりに、感染症拡大防止のため、そして皆さんと皆さんの周りの大切な人たちの健康を守るために、入学式を時間短縮・規模縮小とせざるを得ない社会状況の中ではあります。しばらくしてのち、感染症拡大が落ち着き、日常生活を取り戻すというその日を楽しみに、敢えて皆さんに伝えます。新入生の皆さん一人ひとりが明るく楽しく前向きに、そして元気に中学校生活が送られますよう祈念し、式辞といたします。

令和2年4月7日